今回の本は
『ウォール街のランダム・ウォーカー株式投資の不滅の真理〈原著第11版〉』
(バートン・マルキール著 井出正介訳 日本経済新聞出版社)
です。
インデックス投資家のバイブル
以前に紹介したことのある
と同様にインデックス投資を主とする投資家の皆様が
バイブルだとされている本です。
この本の主張は単純明快で、本を開くと真っ先に
まえがきにも書いてあります。
「個人投資家にとっては、個々の株式を売買したり、プロのファンドマネジャーが運用する投資信託に投資するよりも、ただインデックス・ファンドを買ってじっと持っているほうが、はるかに良い結果を生む」
引用:『ウォール街のランダム・ウォーカー株式投資の不滅の真理〈原著第11版〉』
(バートン・マルキール著 井出正介訳 日本経済新聞出版社)p1
ということです。
理由としては
ランダム・ウォークというのは、「物事の過去の動きからは、将来の動きや方向性を予測することは不可能である」ということを意味する言葉である。これを株式市場に当てはめると、株価が短期的にどの方向に変化するかを予測するのは、難しいということだ。言い換えれば、専門の投資顧問サービスや証券アナリストの収益予想、複雑なチャートのパターン分析などを用いても、無駄だということである。
引用:『ウォール街のランダム・ウォーカー株式投資の不滅の真理〈原著第11版〉』
(バートン・マルキール著 井出正介訳 日本経済新聞出版社)p19
ということになるのでしょう。
この主張に対して反論するつもりもありませんし
たいていの投資家はインデックスに負けるという実績がある以上
不滅の真理といえます。
また、この本質部分は初版の頃から変更がないとも述べられています。
では他には何が書いてあるのか
主張が変わらないのに、
この本は何故原著第11版にまで
改訂が行われているのかということですが
こちらについてもまえがきに書かれています。
要約すれば投資の歴史も積み重ねられる中で
いろいろな金融商品や投資理論がわんさかと出てくるので
個人投資家の総合指南書を目指すこの本としては
きちんとした知識を提供するために
頻繁な改訂が必要だったということですね。
実際に様々な金融商品や
投資理論の問題点等を提起してくれているので
とてもありがたいことです。
たまには100ドル札が落ちていることだってある
この本で好きな部分は
著者自身が後半で少し語っているこの部分。
私は真の価値がいずれは行き渡ると信じているが、時には皆が真の価値に気がつかない状態も存在しうるのである。それゆえ、ごくたまには100ドル札だって落ちているかもしれない。そういう時にはもちろん、私は躊躇なくランダム・ウォークの歩みを止め、さっさと拾うことにしている。
引用:『ウォール街のランダム・ウォーカー株式投資の不滅の真理〈原著第11版〉』
(バートン・マルキール著 井出正介訳 日本経済新聞出版社)p501
やはり投資家である以上は自分の理論とは違っても
チャンスがあれば拾うよと言っているところですね。
このあたりの切り替えをすんなりできるかどうかというのが
一段上のレベルに上るためには必要なんでしょうね。
投資家としては複数回読むべき本
私はつみたてNISAの一部で
インデックス・ファンドを保有しているとはいえ
純粋なインデックス投資家ではありません。
ただインデックス投資の有用性を認めたうえで
いろいろな投資を試行するには
読んでおいて損はしない本ですので
少し分厚いですが
頑張って読んでみることをお勧めします。