今回の本は
『市場サイクルを極める―勝率を高める王道の投資哲学』
(ハワード・マークス著 貫井佳子訳 日本経済新聞出版社)
です。
『投資で一番大切な20の教え』の続編
以前に私もブログで紹介させてもらっている
『投資で一番大切な20の教え』
の続編として刊行された書籍です。
タイトルからも分かる通り
サイクルの重要性について説いたものになります。
前著の『投資で一番大切な20の教え』は
- 二次的思考をめぐらす
- 市場の効率性(とその限界)を理解する
- バリュー投資を行う
- 価格と価値の関係性に目を向ける
- リスクを理解する
- リスクを認識する
- リスクをコントロールする
- サイクルに注意を向ける
- 振り子を意識する
- 心理的要因の悪影響をかわす
- 逆張りをする
- 掘り出し物を見つける
- 我慢強くチャンスを待つ
- 無知を知る
- 今どこにいるのかを感じ取る
- 運の影響力を認識する
- ディフェンシブに投資する
- 落とし穴を避ける
- 付加価値を生み出す
- すべての極意をまとめて実践する
引用:『投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識』
(ハワード・マークス著 貫井佳子訳 日本経済新聞出版社)目次より
という20項目でしたが
そのうちの8番の項目をより深く説明する形です。
前著を読んだときに9番の項目が強く印象に残っていましたが
著者の言いたいことと的中といわずとも遠からずの部分に
注目出来ていたのは良いことだと自画自賛です。
投資成績に反映できているかはともかくとしても(苦笑)
未来のことは分からない。
読んでいる中で一番心に残った部分を引用します。
投資環境は時間の流れとともに変わるが、どのようなときでも、その時点での投資環境は既定のものである、ということだ。つまり、我々はその時々の投資環境をそのまま受け入れることもできれば、受け入れずに傍観していることもできるが、「これは自分の望む投資環境ではない。別の環境に変えてくれ」と要求するわけにはいかない。いや要求できるとしても、それがかなうことはもちろんない。
リスクは投資にかかわる要素の中で最も移り変わりの激しいものである、という見方から、私は以下の結論に達した。いかなるときでも、投資家が集合体としてのリスクをどのように見ていて、それをもとにどのように振る舞うかが、我々を取り巻く投資環境が形成される過程で圧倒的に重要な役割を果たすのだ。そして、その投資環境の状態が、その時点でのリスクに関して投資家がどう振る舞うかを決定するうえでカギとなる。本章のテーマは、リスクに対する投資家の姿勢が今、そのサイクルのどこに位置しているのかを評価することにあるが、これこそ本書全体の中で最も大切な部分と言えるだろう。
引用:『市場サイクルを極める―勝率を高める王道の投資哲学』
(ハワード・マークス著 貫井佳子訳 日本経済新聞出版社)p139
投資環境は常に変化し続けるわけですが
確かに望まない状況だろうと何だろうと
集合体としての結果が市場の現在なのだから
それがどういう位置にあるのかということを
意識するだけでも違うなというのが感想です。
未来が分からないからリスクがあるのですが
ある程度周期的に回ってくると考えれば
生き延びられる確率も上がるということでしょう。
優秀な投資家は市場からアウトパフォーム出来るのでしょうが
私はまだまだ未熟ですのでパニックにならずに
生き延びていけるように日々学習です。
両方読んで損はない
『投資で一番大切な20の教え』も
『市場サイクルを極める』も
投資に対する姿勢を考えるという点で
非常に重要な要素が書かれている書籍です。
是非とも本棚に常備しておいて
気が向いたら手にとって読めるようにしておきたい本です。
まるで金融知識がない状態では厳しいかもしれませんが
それでも何度も読むことで
必ず役に立つ部分が出てきますので
私も何度も読み込んでいきたいと思います。