先日日経新聞を読んで
槍玉に挙げられていた毎月分配型投資信託ですが
そもそもなんでダメだと言われているのかを
分かる範囲で検証してみました。
ここがダメだよ?毎月分配型投資信託
運用コストが高いのか?
毎月分配型のコストを確認してみたのですが
買付手数料:0~4.32%
信託報酬 :0.27~2.321%
信託財産留保額:0~0.75%
となっていました。
※SBI証券取り扱いの毎月分配型投資信託から確認
とりあえず買付手数料が無料でないのは論外として省くと
829件→261件
信託報酬を1.08%以下(それでも高いですが)にすると
261件→44件
償還までの期限を無期限にして
44件→24件
信託財産留保額を0円にすると
24件→8件
・・・すごいなぁこれ(笑)
ちなみに無分配型投資信託だと
同様の条件で絞り込むと
1009件→207件まで残るので
毎月分配型投資信託は
相対的にコスト高ということなのでしょうか。
分配金利回りの罠
毎月分配型投資信託の分配金には
- 普通分配金
- 元本払戻金(特別分配金)
の2種類がありますが
簡単に言うと
普通分配金
分配落ち後の基準価額≧元本
元本の運用益から払われる
元本払戻金(特別分配金)
分配落ち後の基準価額<元本
元本から取り崩して払われる。
ということです。
普通分配金が支払われている分には
まだいいのですが
元本払戻金の場合は
利益が出ていないけれども配当するために
元本が取り崩されるわけです。
信託報酬が少なからず掛かっているわけですから
これでは手数料を払って自分のお金を取り崩しているのと変わりませんね。
元本額にもよりますが
ATMの時間外手数料よりは
マシなぐらいではないでしょうか。
で、分配金利回りの計算式ですが
分配金利回り=分配金/基準価額
となります。
例えば
基準価額10,000円で分配金が月100円(特別分配金)
だったとして見ていくと
1ヶ月後 100/10,000=1%
2ヶ月後 100/9,900=1.01%
3ヶ月後 100/9,800=1.02%
と分配金利回りだけでいえば上昇しているように見えるんですよね。
ここが罠の部分です。
ただ、こんなのは算数の話でしかなくて
投資利回りからすれば
3ヶ月後に元本が-2%になったというだけの事です。
日本証券業協会でも
こちらのページ
(http://www.jsda.or.jp/sonaeru/risk/bunpai/index.html)
で注意喚起しているぐらいですので
せめて算数ぐらいは理解していないと
販売者の言いなりになってしまいますよね。
この証券業協会のページを読んで理解できない方は
理解できるまでは投資をしないほうが良いと思います。
複利効果がないよね
投資というのは本来であれば
長期での複利効果を
最大限に利用して行うのが好ましいはずです。
ただし毎月分配型投資信託については
普通分配金でも
税金という名前のコストで含み益が減りますし
元本払戻金であれば運用する金額が減少するので
仮に同じ利回りでも利益額は当然減少します。
仮に100万円の元本で年5%の運用利回りがあるとして
30年運用した場合に
月次で課税されていく(毎月分配型)のと
満期時に一括課税される場合(無分配型)での比較をすると
イメージとしては下図のようになります。
金額が少ないので少額の差のように見えますが
これで積立なども活用して金額が大きくなった場合には
差はどんどん広がりますので
長期で資産を増やす運用には向いていなさそうです。
結論:私は買わない
毎月お金が配分されてきたとしても
最終的なリターンが他と比較して小さいのであれば
資産を増やして
経済的な自由を求めている私にとっては不要な商品です。
寿命が近づいてきたころに
資産を取り崩すとしても
別に他の投資で大きいリターンが出た中から
取り出したほうが使える金額大きいですしね。
よくよく調べてみればトータルのリターンでは
資産を目減りさせない感じで運用されている商品もあるので
稼ぐのはもういいやっていうぐらいの
資産を持てたときに
今よりも真っ当な商品が出ていれば
検討の余地を残しておこう
ぐらいの扱いで見ておくことにします。