先日金融商品取引法の一部を改正する法律が成立して
概要としては
- 取引の高速化への対応
- 取引所グループの業務範囲の柔軟化
- 上場会社による公平な情報開示
という3点を踏まえた内容に改正されるそうです。
私も少し聞いたことがありますが
高速取引とその問題点は何なのかを少し考えてみたいと思います。
高速取引とは
高頻度取引(こうひんどとりひき、英: High frequency trading: HFT)とは、1秒に満たないミリ秒単位のような極めて短い時間の間に、コンピューターでの自動的な株のやり取り戦略を実施するシステムのこと。HFT、超高頻度取引、超高速取引、アルゴリズム取引、アルゴとも呼ばれる。
よく変な値動きをする株式などだと
アルゴが云々などという
話が出たりすることがありますが
人間をはるかに超えるスピードで
自動取引を行うことが
いわゆる「高速取引」
と呼ばれているもののようです。
何が問題なのか
以下に高速取引の問題点の
参考になりそうなサイトを紹介します。
HFTの何が問題なのか?(NRI Financial Solutions)
http://fis.nri.co.jp/ja-JP/publication/kinyu_itf/backnumber/2014/07/201407_3.html
アルゴリズム取引とは?アルゴリズム高速取引の実態と規制動向(The Finance)
https://thefinance.jp/law/170207
善か悪か、「超高速取引」のおそろしい実態
投資家はカモにされている?(会社四季報ONLINE)
http://shikiho.jp/tk/news/articles/0/163716/1
これらの記事なども含んで
いろいろと調べてみたところ
高速取引そのものが問題ということではなく
その仕組みを利用して
他の個人投資家や機関投資家を
不正(といっても実証しづらい)な方法で
出し抜こうとする存在が悪だというように感じました。
とはいえ株式への中長期の投資であれば
高速取引による短期での価格変動は
それほど問題とはならないのかなと思います。
当然中長期で右肩上がりとなりそうな
銘柄を選ぶことがまず重要ですけども。
しかし、デイトレーダーや
2~3日でのスイングトレーダーをしたい
投資家さんにとっては
高速取引のプログラムは
邪魔者以外の何物でもなさそうですね。
日本での対応は
金融庁で公開されていた資料によると
・ 当 局 が 株 式 等 の 高 速 取 引 (HFT)の実態などを確認できるよう、 登録制を導入し、ルール整備を行う。
体制整備・リスク管理に係る措置
- 取引システムの適正な管理・運営
- 適切な業務運営体制の確保 等
当局への情報提供等に係る措置
- 高速取引を行うこと・取引戦略の届出
- 取引記録の作成・保存 等
ということだそうです。
日本の省庁は登録制にするのが好きだなぁ
という印象が強いです。
また高速取引の取引記録を保存させるということは
これまで全く分からなかった
高速取引の実態を把握したいということなのでしょう。
ただし、実際はここで対応が打ち止めな気もします。
理由は
資料によると市場の注文件数の約7割、
約定件数の約4割が
高速取引だということです。
となると、ここに規制をかけてしまっては
市場の流動性が著しく悪くなってしまい
投資家にとってはあまり良くない環境となる
可能性があります。
資料を見ていると短期売買ではなく
国としては中長期投資に誘導したいのかな
などという意図も感じ取れるのですが
いずれにせよ健全な市場が
発展してくれることを望むのみです。