今回の本は
『決算書はここだけ読め!』
(前川修満著 講談社現代新書)
です。
決算書を作る知識と読むために必要な知識は違う
「決算書を作るのに必要な知識と、決算書を読むのに必要な知識は異なります。皆さんのなかには、これまで決算書について勉強したが、うまくいかなかったという人がいるかもしれません。そういう人は、決算書を読むための勉強ではなく、決算書を作るための勉強をしてしまった可能性があります。
たとえば、料理を食べる人には、料理を作るための知識は要りません。当たり前です。決算書も、これと同じです。決算書を読む人には、決算書を作るための知識は要りません。会計基準だとか、IFRSだとか、そういう知識の大半は作り手に求められる知識にすぎません。ですから、私の講義では、複式簿記の原理や会計基準などをくわしく話するつもりはありません。皆さんにとって無用の知識ですから」
引用:
『決算書はここだけ読め!』
(前川修満著 講談社現代新書)p4-5
導入のはしがきとしてかかれている部分ですが
あ、なるほどなと感じましたね。
確かに私は個別株投資の判断材料として
決算書類を読みたいだけであって
別に上場企業の決算書類を作りたいわけではありません。
むしろ余計な知識は足を引っ張ったりするので
必要最低限を伝えようとする本書については
非常に好感を持ちました。
決算書類を読むために最低限の知識について
書かれている内容を紹介します。
5つの基本要素
本書では決算書を読みこなすために必要な要素として5つ挙げています。
(お金の集め方に関する三つの要素)
①負債:負債とは、将来、返す約束で集めたお金のこと。
②資本:資本とは、会社のオーナーが出資してくれたお金のこと。
③収益:収益とは、会社が稼いで得たお金のこと。
引用:『決算書はここだけ読め!』
(前川修満著 講談社現代新書)p19 太字は原著のまま
(集めたお金の取り扱い方に関する二つの要素)
④資産:資産とは、集めたお金のうち、その経済価値を失っていないもの。
⑤費用:費用とは、集めたお金のうち、その経済価値を失ったもの。
引用:『決算書はここだけ読め!』
(前川修満著 講談社現代新書)p20 太字は原著のまま
決算書を構成するこれらの要素と
その意味合いさえ分かってしまえば
賃借対照表も損益計算書も
それほど読み解くのは難しくないということを
本書で解説されています。
実際にどれだけ項目が多くても
実際にはこの項目に収束されるので
確かにその通りです。
とても分かりやすかった。
会計の本というと小難しい用語がゴロゴロと出てきて
読んでいて頭が痛くなるというか眠くなるというか
関心が薄れていくということが多々あります。
ですが、この本は決算書を読むための最低限の知識の解説が
初心者でも分かりやすく書かれていますので
一気に読むことが出来ました。
新書ですし読む気になれば1時間程度で読了できますので
おススメします。